プレス加工とは?
プレス加工とは、「ブランク」とよばれる金属の板材に「金型」を圧着(プレス)して成形する「塑性(そせい)加工」のひとつです。
プレス加工には、金型、加工物(「ブランク」とよばれる金属の板材)、プレス機械の3つが必要になります。金型に工作物を挟んでプレス機械に乗せ、外から圧力を加えることで、切る・抜く・曲げるなどの工程を行い金属部品へと成形していきます。
プレス加工は大量に生産できるため生産性が高い
多くのプレス加工は自動化によって「連続加工」され、 1度の加工で製品の大量生産ができます。ちいさな部品だと、1分間に数百回ものプレス加工が可能です。また、軽かったり小さかったり薄かったりする製品にも対応できるため、汎用性がとても高いといえます。
プレス加工は強度の高さを保てる
プレス加工は「ブランク」と呼ばれる1枚の板材から、立体的でつなぎ目のない製品がつくれるため、ファイバーフローとよばれる「鍛流線」が発生するため、強度が高い製品の製造が可能です。
プレス加工は金型によって決まった形のものしか作れないので、自由度が低い
プレス加工に用いられる金型は、一つの金型で成形できる形状が決まっています。よって加工したい形状に合う金型がない場合には金型の製作や、専用のシステムを作る必要があるので、自由度が低くかえってコストがかかってしまう場合もあります。
そのためプレス加工は、小ロットや受注生産ではなく、長期的に量産する大量受注する部品に多く使われています。
プレス加工の種類とは?プレス加工で出来ること
プレス加工の種類(工程)は、「せん断」「曲げ加工」「絞り加工」「張出し成形」「後処理」に分けることができます。
これらの加工を順番に組み合わせることで、製品を効率的に生産していきます。また、複数の工程を同時に行う複合加工も行われます。
せん断加工
せん断加工とは、金属の板材を金型で「切断」する加工方法で、シャーリング加工(Shearing)ともよばれます。
金属の板材を「パンチ(雄型)」と「ダイ(雌型)」とよばれる金型でプレスして、完全に切断し分離させることが出来ます。また、単に切るだけでなく、「切り抜く」、「外形を抜く」、「穴をあける」など目的にあわせてさまざまな加工があります。
曲げ加工
曲げ加工とは、金属の板材を金型で「曲げる」加工方法で、ベンディング加工(Bending)ともよばれます。
「ダイ(雌型)」に乗せた金属の板材を「パンチ(雄型)」とよばれる金型でプレスしながら曲げていきます。被加工材の引張り力と圧縮力を利用して、材料を曲げるものです。曲げの形状によってV曲げ、L曲げ、U曲げ、カール曲げ、ヘミング(アザ折り)曲げなどの種類があります。
絞り加工
絞り加工とは、1枚の板材をプレスし、プレス機の「パンチ(雄型)」と「ダイ(雌型)」に沿ったカップや箱などの「容器状の製品」を成型する加工方法です。
成形品には「つぎめ」のない、複雑な形状をつくることができます。
張出し成形
1枚の板材をプレスして「凹凸のある製品」を成型する加工方法です。
板材に金型を押し込むことで、エンボス状に成形します。
成形品には「つぎめ」のない、複雑な形状をつくることができます。自動車のボディなど範囲が広く、複雑な成形に使われています。
プレス加工の後処理
プレス加工後の代表的な後工程には、「プレス加工油の洗浄」「バリ取り(研磨)」「バレル加工」があります。
また、製品の仕様にあわせて、メッキや焼入れなどの熱処理が行われることもあります。
主なプレス加工採用分野
主にプレス加工にて量産されているのは自動車部品です。ほかにも電子部品や日用品など、先端産業から身のまわりまで、多くの金属製品が「プレス加工」でつくられています。
- 自動車部品
- 鉄道・航空機
- 精密機器
- 電子部品
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- エアコン
- ステンレスシンク
- ガス台
- 浴槽
プレス加工に使われる主な材質
プレス加工で使用される主な材質は「鉄鋼」や「ステンレス鋼」「アルミなどの非鉄金属」があげられます。
- 高張力鋼板「ハイテン材」:主に自動車関係のねじ関連部品に使用されています
- 鋼板(「熱間圧延鋼板」と「冷間圧延鋼板」):一般的なねじ加工品に使用されています
- ステンレス鋼
- アルミニウム合金
- 銅合金
- チタン合金
- マグネシウム合金
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